1998年の絵画帳 1
「雪の日」 テンペラ、パネル F8号
この年にあったこととして、前年の二人展で得たお金で一眼レフのカメラを購入したということがあげられる。これ以降、これをスケッチがわりに使ったり、やがて写真を撮ることそれ自身が目的となっていったりする。
例えばこの絵であるが、これは前年のつづきである「キング式」や「日の当たる場所」を描いた牛舎の内部を撮影した写真に基づいている。おそらく、肉眼ならば窓ガラスの外を見ることもできたであろうが、内と外との光のコントラストが強いために、窓ガラスは真っ白になってしまってい、私はそれをそのまま絵にしている。同じことは次ページの「かつてここにあったものが」についても言えそうであるが、こちらは逆に写真には窓ガラスの外がしっかり写っている。それを私はこの「雪の日」では見えなかったことを援用して省略したのだ。
外は雪が積もって、まぶしいほどに日の光を反射している。だれもいないこの牛舎の中で、私はひとり静かにしている。