短歌の窓
Atsushi Kadowaki 2001
桜散るうすくれないの花道は春の通りしみちすじなるらむ
萌え出づる青葉若葉に山羊の白よろこび果てぬ春になるかも
今日はとて何ひとつなく過ぎにけりただおぼゆのは春の香のこと
花すすきむすぶしずくの重すぎて別れにふれる手はあらぬなり
長雨にうちふすすすき今朝晴れて今宵の月に穂波つくらむ
木の描く軽き影絵の筆づかいいかにすれどもそこへいたらず
川石に枯れ葉のかかるひとときはこの人の世のごときものかな
枯れかおる雑木の下の伏し落ち葉春は積もりぬ秋は積もりぬ
雪の日に静かな雪の降る国に生まれしことをうれしくぞ思う